CLEAN YURU BOOK

本のあらすじ、感想を書き留めるブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

恩田陸『訪問者』

山中にひっそりとたたずむ古い洋館―。三年前、近くの湖で不審死を遂げた実業家朝霞千沙子が建てたその館に、朝霞家の一族が集まっていた。千沙子に育てられた映画監督峠昌彦が急死したためであった。晩餐の席で昌彦の遺言が公開される。「父親が名乗り出たら…

恩田陸『猫と針』

同窓生男女5人が葬式帰りに集まった。小宴がはじまり、四方山話に花が咲くが、どこかぎこちない面々。誰かが席を外すと、残りの仲間は、憶測をめぐらし不在の人物について語り合う。やがて話題は、高校時代の不可解な事件へと及んだ…。15年前の事件の真相と…

又吉直樹『夜を乗り越える』

芸人で、芥川賞作家の又吉直樹が、少年期からこれまで読んできた数々の小説を通して、「なぜ本を読むのか」「文学の何がおもしろいのか」「人間とは何か」を考える。また、大ベストセラーとなった芥川賞受賞作『火花』の創作秘話を初公開するとともに、自ら…

恩田陸『タマゴマジック』

空から謎の卵が降り、赤い犬が宙に浮かぶ―。東北の中心・S市で起きた奇怪な出来事。 宇宙人襲来か、はたまた都市伝説か?恩田ワールドが東北で炸裂する。 仙台出身の著者が放つミステリー集 震災後の都市の苦悩を描く書き下ろし『魔術師2016』も収録。 関根…

吉田篤弘『京都で考えた』

答えはいつもふたつある。 吉田篤弘が、京都の街を歩きながら「本当にそうか?」と考えたこと。 この街で考えたことを、これまでに何冊かの本に書いてきた。ただ、それらのほとんどは小説だったので、物語のどの部分が京都で考えたことであるかは判らない。い…

かつくら編集部『あの頃のBLの話をしよう [BLインタビュー集]』

熱に浮かされたようにBLを書き、作り、読んでいた私たち―― ボーイズラブという言葉が生まれたあの頃。 激変する業界の渦中にあった作家・編集者が語る、それぞれのBLファーストインパクト! いまや当たりまえのように存在しているBL[ボーイズラブ]というジャ…

きたみりゅうじ『夜明けに向かってコアダンプ』

偉人・変人が語り継がれるIT業界。でも、多くの人はごく平凡に、ごく普通の人々と、日々の仕事に追われています。じゃあそこには何のドラマもないのか?…これがそうでもない。 ささやかだからこそ「あるあるあるあるある」と首を縦にブンブン振っちゃうような…

山崎ナオコーラ『ネンレイズム/開かれた食器棚』

“おばあさん”になりたい、自称68歳の村崎さん、未来でなく“今”を生きたい紫さん、“徐々に”年をとりたいスカート男子・加藤くん。町の公民館の「編み物クラブ」に通う未来は未定!高校3年生の冬ものがたり。 「ネンレイズム」は年齢、「開かれた食器棚」は出産…

山崎ナオコーラ『ボーイミーツガールの極端なもの』

管理栄養士を目指す大学生は野球選手との結婚に憧れ、 子育てを終えた中年の女性がファッションデザイナーと巡り合う。 引きこもりニートは松田聖子に恋慕し、 その弟は誰に対しても自分から「さようなら」を切り出せず、 兄弟の父親は妻と再会する。 人と接…

山崎ナオコーラ『かわいい夫』

日々の暮らし。父との死別。流産。ふたたびの妊娠。 さまざまな出来事をとおして、 浮かび上がってくる、あたらしい結婚の形。 変化していく、作家のこころ。 毎日、少しずつ読みたくなる、結婚エッセイ集。 装画、みつはしちかこ。 本書には、西日本新聞に…

益田ミリ『泣き虫チエ子さん』

会社で秘書をするチエ子さんと家で靴の修理をするサクちゃんは、仲良しの夫婦。生まれも育ちも性格も違う二人は、お互いを大切に思いながら日々を過ごして──。心温まるコミック 夫婦、恋人同士で暮らしたことがある人にとってはあるあるの宝庫で、チエ子さん…

春見朔子『そういう生き物』

千景とまゆ子。高校の同級生である二人は、10年ぶりに偶然再会し、思いがけず一緒に暮らし始める。 薬剤師の千景は、とある男との逢瀬を重ねながらも、定年退職した大学の恩師「先生」に心を寄せている。 叔母のスナックでアルバイトをするまゆ子は、突然家…

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『男も女もフェミニストでなきゃ』

わたしはハッピー・フェミニスト! ビヨンセを始め全米が称賛したTEDスピーチ、待望の邦訳! ディオールのパリコレでも同名ロゴTシャツが登場、話題沸騰中。 あたらしいジェンダーについて最適の1冊(Amazonより) TEDxEustonというプレゼンイベントで行われた、…

高原英里『不機嫌な姫とブルックナー団』

天才作曲家にして非モテの元祖・ブルックナーを偏愛するオタク3人組との出会いが、夢を諦めた文系女子の運命を変える? ままならない人生に心ふさぐ人々へ、エールを送る異才の書下ろし快作! 小川洋子氏、穂村弘氏推薦。 高原英里『不機嫌な姫とブルックナー…

住野よる『君の膵臓をたべたい』

偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。 それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。 そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。 病を患う彼女にさえ、平等につきつけ…

『リアルプリンセス』

古今東西に伝わるさまざまなプリンセス・ストーリーを、現代に置き換えたとしたら、どんな物語になるのでしょうか? 人気の女性作家六人が、それぞれが選んだ題材をもとに物語を書き下ろすアンソロジー集。女性ならではの優しさあり、はたまたぴりりとする毒…

山崎ナオコーラ『指先からソーダ』

けん玉が上手かったあいつとの別れ、27歳の誕生日に自腹で食べた高級寿司……朝日新聞の連載で話題になったエッセイを中心に、しゅわっとはじける言葉たちがつまった、爽快で痛快な著者初のエッセイ集。 (Amazonより) デビューしてから約4年間に書きためられた…

サンテグジュペリ『星の王子さま』

沙漠の真っ只中に不時着した飛行士の前に、不思議な金髪の少年が現れ「ヒツジの絵を描いて…」とねだる。少年の話から彼の存在の神秘が次第に明らかになる。バラの花との諍いから住んでいた小惑星を去った王子さまはいくつもの星を巡った後、地球に降り立った…

マーヤ・ヴァン・ウァーグネン『マーヤの自分改造計画』

学校ではどこで誰と過ごすか、または過ごさないかで属すグループが決まる。 あたしは生徒のなかでは最下層、目立たないグループに分類されてる。 自分より階層が上の誰かに餌食にされないかぎりは…。ある日、パパが古本屋で『ティーンのための人気者ガイドブ…

石田衣良『1ポンドの悲しみ』

数百キロ離れて暮らすカップル。久しぶりに再会したふたりは、お互いの存在を確かめ合うように幸せな時間を過ごす。しかしその後には、胸の奥をえぐり取られるような悲しみが待っていた―(表題作)。16歳の年の差に悩む夫婦、禁断の恋に揺れる女性、自分が幸せ…

島本理生『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』

特別じゃないわたしたちの、特別な日常 『ナラタージュ』『Red』の著者が描く、新たな恋愛小説。 「どこへ行きましょうか」 「どこへ行くか」 30歳の私は、あの日、夕方の春の海辺で、どこへ行けるか分からない恋を始めた。限られた時間の中にいる男女の行く…

米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』

小市民を目指す小鳩君と小山内さんのコミカル探偵物語 小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに2人の前には頻繁に奇妙な謎が現れる。消えた…

川上未映子×穂村弘『たましいのふたりごと』

作家・詩人として日本文学の最前線を疾走する川上未映子と当代一の人気歌人・穂村弘が、人生のワンダーを求めて、恋愛・創作・生活等々を縦横無尽に語りつくす! (Amazonより) この本を読む直前に、川上未映子の、村上春樹へのインタビュー集を読んでいて、な…

スティーブン・チョボスキー『ウォール・フラワー』

【あらすじ】 チャーリーは15歳。美人な姉と、フットボール選手の兄とはそれなりに仲がいい。高校で知り合ったパトリックとサムは初めて心から愛した親友だった…。 大人も子供も傷つき、傷つけながら人生を生きる。最高にクールな青春小説。 アメリカの10代…

三浦しをん『本屋さんで待ちあわせ』

【内容】 1日の大半を本や漫画を読んで過ごしている作者の、新聞や雑誌で掲載された文章をまとめた書評集。 本が好きで好きで仕方がないんだろうな、と思う前のめりな文章。あらすじや話の構造にせまるというよりも、どれだけその本が自分の心を揺さぶったか…

村上春樹・川上未映子『みみずくは黄昏に飛び立つ』

【内容】 川上未映子から村上春樹への、11時間にのぼる超ロングインタビュー集。 最新作『騎士団長殺し』の誕生秘話だけでなく、小説を書くことの方法や極意、自身が得た名声や今後について、これでもかと語りつくす、完全保存版 後書きで、思わず村上春樹が…

湊かなえ『リバース』

【あらすじ】 主人公、深瀬和久は事務機器の営業を仕事とするさえないサラリーマン。唯一の特技は美味しいコーヒーを淹れること。行きつけの喫茶店で越智美穂子という女性と出会い日常に華が咲きはじめた矢先にある出来事が起こる。 『深瀬和久は人殺しだ』…

若林正恭:編『ご本、出しときますね?』

【内容】 小説家って面白い! 無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と、20人の作家たちが、「自分のルール」を語りつくす。BSジャパンで放送された大人気番組の書籍化。 (帯より) 小説家がテレビに出演する流れは昔からありましたが、基本的には「文化人」…

石田衣良『REVERSE リバース』

【あらすじ】 ファッション関係の輸入商社で働く千晶と、 IT企業でHP制作の仕事をしている秀紀。性別を偽った状態で、ネットで知り合った二人は、相手を同性と思いながらも心惹かれていく。 元彼からのアプローチ、打算的に言い寄ってくる同僚、のし掛かって…

石田衣良『坂の下の湖』

【内容】 フリーマガジン「R25」にて連載されたコラムをまとめた本。政治、経済、仕事、結婚、趣味など、石田衣良がポジティブな視線でぶった切る。2008〜2010年分をまとめたエッセイ第3弾。 20代後半から30代前半の働く男性読者を対象にしたフリーマガジン…