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村上春樹・川上未映子『みみずくは黄昏に飛び立つ』

【内容】

川上未映子から村上春樹への、11時間にのぼる超ロングインタビュー集。

最新作『騎士団長殺し』の誕生秘話だけでなく、小説を書くことの方法や極意、自身が得た名声や今後について、これでもかと語りつくす、完全保存版

 

後書きで、思わず村上春樹が「冷や汗をかいてしまうこともしばしばだった」と書いてしまうくらい、鋭い質問がバンバン投げられます。

 

まずフェミニズムについて、一部抜粋。

川上「女の人が性的な役割を全うしていくだけの存在になってしまうことが多いということなんです。物語とか、男性とか井戸とか、そういったものに対しては、ものすごく惜しみなく注がれている想像力が、女の人との関係においては発揮されていない。女の人は、女の人自体として存在できない。」

(P246)

 

あの村上春樹にここまで突っ込んだ質問をよくできるな、と思いますが、村上春樹自体は割と冷静に「そう言われてみればそうかもしれない」「たまたまのことじゃないかな」と返しつつ、悪気はないという姿勢を貫いていたので、読者の私からすれば、「とぼけやがって〜(イライラ)」という感じでした。

 

他にも「『俺もこんな世界的な作家になったわー』みたいな実感はどうですか?」とか、「『俺ってやっぱすごかったんだなー、とくべつだったんだなー』みたいな気持ち、ない?これはありますでしょ、少しくらい笑」みたいな質問までしていて、正直笑えたし、川上未映子さんの人柄なのか、性格なのか、随所で鋭いことを聞いているはずなのにカドがたってなくて、とても読み応えのあるインタビュー集になっています。