近藤聡乃『うさぎのヨシオ』
作品説明
この本はウサギの青年、ヨシオの日常を描いた四コマ漫画です。
主人公は喫茶店のアルバイトで生計をたてながら漫画家を目指すヨシオ。
制作がうまくいかなくて悩んだり、気になる女性に対しても自身が「ウサギ」である負い目からアプローチできずはなからあきらめたり、冴えない日常を送っていました。
ある日ヨシオが働く喫茶店にきれいな男の子つばさ君がやって来ます。
実のところ、彼は喫茶店の店長メリーさんが「美形」を見込んで呼び寄せた「客寄せパンダ」なのでした。
つばさ君もミュージシャンとして作品を生み出すアーティスト。
ある時、つばさ君が何気なく作ったプロットをヨシオが気に入り、二人は合作で漫画を描くことになります。
そこからヨシオの生活と、彼を取り巻く人達の気持ちが大きく変わっていくのでした。
感想
四コマ漫画といっても、全てゆるくつながっていて、ストーリー漫画として楽しめます。
恋愛要素も大いにあるので、実る恋もあれば実らない恋もあり、読後感は少し切ないです。
また、絵もすごく良い。近藤聡乃さんの漫画はこれまで何冊か読みましたが、線がきれいだなあ〜といつも思います。
四コマ漫画という決められたコマの形で描かれているからとくにそう見えるのかもしれません。
一コマ一コマ見ごたえ(読みごたえ)があって、漫画の単行本としては薄めですが、大満足でした。