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本のあらすじ、感想を書き留めるブログ

住野よる『君の膵臓をたべたい』

偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。
それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。

病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。
【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。
全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至!

(Amazonより)

 

膵臓の病気にかかりもうすぐ死んでしまう女の子と、本ばかり読んで友達のいない「僕」との泣ける青春小説。
住野よるさん初めてでしたが、文章、キャラクター造形ともに軽快で若い方にうけるのも頷けました。

 

人が亡くなることで感動させるという手法は今までいろんな作家が挑戦していて、私も思うところがありますが、ここまでストレートだと清々しいし、泣けたといえば泣けました。ただ、個人的には「君の名は」と同じで、あと10年早く読めたらもっと感動できたのになあ。

 

ちょっと驚いたのが、ストーリーにミステリ要素が入っていたこと。伏線があちこちに貼られていて、「これってどういうこと?」と考えながら読めるので、ページをめくらせる力がとても強い。良い意味で期待を裏切られました。

 

難をいえば、文章が読みにくいのと、荒削りすぎること。作者はライトノベルしか読んでないのでは、と感じたし、もうすこし自分の書いた文章を読み返したほうがいいかもしれませんね。

 

 

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)