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スティーブン・チョボスキー『ウォール・フラワー』

【あらすじ】

チャーリーは15歳。美人な姉と、フットボール選手の兄とはそれなりに仲がいい。高校で知り合ったパトリックとサムは初めて心から愛した親友だった…。

大人も子供も傷つき、傷つけながら人生を生きる。最高にクールな青春小説。

 

アメリカの10代の子達を対象にした「YA小説」というジャンルが私は結構好きなのですが、この作品は花丸満点。
エマ・ワトソンエズラ・ミラーが出ている映画もよかったですが、原作マジで最高でした。

 

物語を通して描かれるテーマの一つに「暴力」があります。

物理的な暴力であれ、性的な暴力であれ、チャーリーを取り巻く家族、友人たちは、かならず何かしらの暴力の被害者であり、加害者です。

例えばチャーリーの姉は、妊娠したことを彼氏に伝えると、突き放され中絶を余儀なくされます。また、親友のパトリックは、恋人だったブラッドに「ホモ野郎」と罵られ、殴りあいの喧嘩になってしまいます。チャーリーは彼女たちに寄り添い、ハグをし、話をするのですが、実は主人公のチャーリー自身も例外ではなく、精神科にかかるくらいの、ある過去が隠されているのでした。

 

この小説は、なぜチャーリーがこれほどまで不安定な子なのか、人と関係性を築くのが下手なのかがカギとなっていますが、裏を返せば、チャーリーが自分自身で、また、周囲の人間の力を借りて答えを見つけ、乗り越える話でもあります。

そして、読者はチャーリーの書く手紙を通して、その過程である1年間を追体験することができるのです。

 

 

ウォールフラワー (集英社文庫)

ウォールフラワー (集英社文庫)