石田衣良『REVERSE リバース』
【あらすじ】
ファッション関係の輸入商社で働く千晶と、 IT企業でHP制作の仕事をしている秀紀。性別を偽った状態で、ネットで知り合った二人は、相手を同性と思いながらも心惹かれていく。
元彼からのアプローチ、打算的に言い寄ってくる同僚、のし掛かってくる仕事のプレッシャー。
数々の苦難を乗り越えて二人が見出した答えは、男女のつきあい方の新しいあり方を提示してくれる。イマドキの恋愛小説。
千晶と秀紀、お互いの視点で数ページずつ交互に物語が進んでいくのですが、ドラマ用に書き下ろしたんですか?と勘違いするくらい映像化向きだと思いました。
なんといってもキャラクター。
・バリキャリウーマンの千晶
・ぱっと見冴えないけど隠れモテ男の秀紀
・妹気質で気立てのいい千晶の後輩
・出版社で編集長を務める千晶の元カレ
・女子力は高いけれど打算的な秀紀の同僚
・お局気質な副社長
・ゲイと噂の新進気鋭の若手俳優
挙げてみましたが、テレビ用にキャスティングしてくださいと言わんばかりではないでしょうか。
読んですぐ「逃げ恥」キャストを当てはめてしまったし、星野源とガッキーが性別を偽ってメールのやり取りをするシーンがパッと浮かびましたよ。
良い脚本家、スタッフに恵まれれば大ヒット間違いなしの名作ができるんじゃないかと、思わず夢が膨らみました。
ただ小説としては、テーマを活かしきれていないし、消化不良な部分もあってもったいないんですよね…。
息抜きに読む感覚で楽しめました。